議事録まとめ、PerplexityとNotebookLMどちらが速いか
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Askiveデイリー #41 ・ 2026-06-06

議事録まとめ、PerplexityとNotebookLMどちらが速いか

会議が終わった瞬間、参加者の頭の中には議論の熱がまだ残っている。だが30分後、その熱は冷め、議事録ファイルは白いまま放置される。これが多くの中小企業で繰り返される光景だ。AIで片付けたい、その判断は正しい。問題はどのツールを選ぶかである。

候補に挙がるのがPerplexity(質問に出典付きで回答する対話型AI検索)とNotebookLM(Googleが提供する、自分の資料だけを読み込ませて使うAIノート)の2つ。どちらも「資料を渡すと要約してくれる」点では似ている。だが、議事録作成という具体的な業務に絞ると、両者の得意分野はきれいに分かれる。

結論の判定軸を先に宣言しておく。「素材の形」「出力の構造化」「使い回しの効率」の3つで決まる。会議の記録が音声なのかテキストなのか、議事録を一度作って終わりなのか後で何度も参照するのか。そこを起点に選べば迷わない。

比較軸1:素材の形 ― 音声を持ち込めるか

最初の分かれ道は、手元にある会議記録が何かという点だ。

NotebookLMは音声ファイルやGoogleドキュメント、PDF、テキストを直接読み込ませて、その中身だけを根拠に回答する設計になっている。録音した会議音声を放り込めば、文字起こしから要約までを一つの場所で処理できる。ソース(読み込ませた資料)を50個まで束ねられるため、過去3ヶ月分の会議録10本以上をまとめて横断検索することも可能だ。

一方Perplexityは、もともとWeb上の情報を検索して出典付きで答えることに最適化されている。ファイルのアップロードにも対応するが、本領は「外に答えを探しにいく」ことにある。議事録のように「閉じた素材の中だけで完結させたい」業務とは、設計思想がやや逆を向いている。

ここで効いてくるのが、AI議事録に詳しい層が以前から指摘してきた精度の問題だ。医療分野の音声認識で誤認識が問題化した事例もあるように、音声の文字起こし精度は環境ノイズと専門用語で簡単に崩れる。複数人が同時に話す会議では、誰の発言かを取り違える誤りも起きる。だからこそ、音声を扱うなら文字起こしと要約を同じ場所で検証できるNotebookLMのほうが、修正の往復が減る。

判定: 録音音声から始めるならNotebookLM。すでにテキスト化された議事メモを整えたいだけなら、どちらでも対応できる。

比較軸2:出力の構造化 ― 「決定事項」を拾えるか

議事録で本当に欲しいのは、なめらかな要約ではない。「決まったこと」「誰が何をいつまでに」「保留になった論点」の3点である。これが抜けた議事録は、読み返しても次の行動につながらない。

NotebookLMは読み込ませた資料に対して「決定事項を箇条書きで」「ToDoを担当者別に」といった指示を出すと、その資料の範囲内で構造を組み直す。出典が常に「自分が入れた資料」に限定されるため、会議で出ていない情報を勝手に混ぜ込む可能性が低い。議事録のように事実の正確さが命の文書では、この「外に逃げない」性質が安心材料になる。

Perplexityは指示への反応が速く、要約を整える文章力も高い。ただし検索志向が強いぶん、文脈を補おうとして会議外の一般論を足してくることがある。「この製品の一般的な仕様」を補足説明として加える、といった親切が、議事録では逆にノイズになる。便利になるはずの機能が、用途を間違えると重荷に変わる典型例だ。

現場でやってみると分かるが、議事録AIに求めるのは創造性ではなく「言われたこと以外を書かない」忠実さである。この一点で、閉じた素材を扱うNotebookLMが議事録という土俵では有利に立つ。

判定: 決定事項とToDoを正確に抜き出す用途はNotebookLM。要約文の読みやすさを優先するならPerplexityも候補。

比較軸3:使い回しの効率 ― 一度きりか、何度も引くか

3つ目の軸は、作った議事録をその後どう扱うかだ。

会議が単発で、議事録を作って共有したら終わり。この使い方なら、速さで答えを返すPerplexityが向く。1回の要約にかかる手間が軽く、5〜10分で共有可能な形にまとまる。

だが多くの中小企業の会議は単発では終わらない。週次定例、月次の進捗会議、プロジェクトの節目ごとのレビュー。これらは「前回何を決めたか」を毎回引き直す必要がある。ここでNotebookLMの資料を束ねる性質が効いてくる。過去の議事録を蓄積しておけば、「先月の予算会議で保留になった件は」と聞くだけで、複数回分を横断して答えが返る。

換算するとイメージしやすい。週次会議の議事録を毎回ゼロから読み返すと、1回あたり15分前後、月に換算して約1時間を過去確認に使う計算になる。これが蓄積された資料への問いかけ一つで済むなら、年間で中堅社員の半日分以上が浮く。ただし、これは過去資料を整理して入れ続けた場合の話だ。資料を溜めずに毎回まっさらで使うなら、この利点は発生しない。

判定: 単発・即共有はPerplexity。定例会議で過去を引き続けるならNotebookLM。

ケース別の選び方

ここまでの3軸を、現場の状況に落とし込む。

ケースA:営業の商談メモを素早く整えたい 商談ごとに録音やメモを取り、その日のうちに上長へ共有したい。単発性が高く、スピード優先。この場合はPerplexity。要約を整える速さが、共有のテンポに合う。

ケースB:週次・月次の定例会議を運営している 毎回「前回の決定事項」を引き直す運用なら、過去議事録を蓄積できるNotebookLM。3ヶ月も回せば、横断検索の価値が手応えとして出てくる。

ケースC:録音音声から議事録を起こしている そもそも会議をテキスト化する段階から自動化したいならNotebookLM。文字起こしと要約を同じ場所で検証でき、修正の往復が減る。ただし音声精度は環境に左右されるため、固有名詞や数字は人の目で確認する前提を崩さない。

ケースD:情報収集と議事録を一つのツールで兼ねたい 日常的に市場調査や競合情報をWebで集めつつ、たまに議事録も処理する。この兼任なら検索が本業のPerplexityを主軸に置き、議事録は割り切って使う形が現実的だ。

今日の総括 ― 3つの質問で判定する

どちらを選ぶか、フローチャート的に絞り込める。

第1の質問。素材は音声か、テキストか。 音声から始めるなら、文字起こしまで一括で扱えるNotebookLMに傾く。

第2の質問。その議事録を後から何度も引き直すか。 引くならNotebookLM、作って終わりならPerplexity。

第3の質問。議事録以外にWeb検索もそのツールでやりたいか。 やりたいならPerplexity、議事録に特化させたいならNotebookLM。

3問のうち2問以上でNotebookLM側に振れたなら、議事録業務の主軸はNotebookLMが合う。逆に2問以上がPerplexity側なら、検索を含めた汎用性を取るほうが満足度は高い。

最後に一つ。どちらを選んでも、決定事項と数字、固有名詞は人の目で確認する工程は省けない。AIに依存しきった結果、記録のミスに気づけなくなった例は他分野でも報告されている。速さを買うツールであって、責任を肩代わりするツールではない。会議の熱が冷める前に議事録を仕上げる、その目的さえ外さなければ、どちらも十分に働いてくれる相棒になる。

本記事はAI編集を経たのち、編集長が事実確認と品質チェックを実施しています。