経理・人事の自動化を他部署から隠したい、MakeのPrivate Spacesで
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Askiveデイリー #192 ・ 2026-08-24

経理・人事の自動化を他部署から隠したい、MakeのPrivate Spacesで

同じMakeのアカウントを複数人で共有していると、経理や人事が組んだ自動化の中身が、他部署のメンバーからも丸見えになる。この記事は、給与や請求といった機密性の高い自動化を、他部署の目から切り離したい担当者に向けて、Makeの「Private Spaces(プライベートスペース)」の考え方と使いどころを整理する。ツールが変わっても通用する「情報分離の原理」まで踏み込む。

Makeの「Private Spaces」とは何か、何が見えなくなるのか

結論: Private Spacesは、Makeの中に「見える人を限定した作業部屋」を作る機能で、部屋の外からは自動化の中身も接続情報も見えなくなる(Make公式サイト、2026-08確認)。

Makeでは通常、ひとつの契約(組織)の中に「チーム」や「シナリオ」が並ぶ。ここでいうシナリオとは、自動化の設計図1本のことだ。問題は、同じ組織のメンバーは、原則として他人が組んだシナリオも一覧で見られてしまう点にある。

Private Spaces(=見える人を絞った専用の作業スペース)は、この「全員が見える」状態を分割する仕組みだ。経理用のスペースに人事担当を入れなければ、人事側からは経理のシナリオが存在すること自体が見えなくなる。

見えなくなるのはシナリオの中身だけではない。接続情報(=銀行サイトやメール、会計ソフトにログインするための保存済みのパスワードや鍵)もスペース単位で分離される。ここが今回の要点だ。シナリオを隠しても接続情報が共有のままなら、他部署が別の新規シナリオからその接続を呼び出せてしまう。Private Spacesは、その接続ごと囲い込む。

なぜ「シナリオを隠す」だけでは不十分なのか

結論: 自動化の本当の機密は「処理の内容」ではなく「どのサービスにログインできる鍵を持っているか」にあり、鍵ごと分けないと分離にならない(情報セキュリティの原則、2026-08確認)。

たとえば経理担当が、ネット銀行の入出金を毎朝スプレッドシートに書き出す自動化を組んだとする。ここで一番危ないのは、シナリオの図が見えることではない。銀行にログインできる接続情報が組織内に保存され、他部署の誰でも新しいシナリオから呼び出せる状態のほうだ。

これは自動化ツール全般に共通する構造だ。ツールが変わっても、「実行内容の分離」と「接続情報の分離」は別問題だという原理は変わらない。Private Spacesが評価されるのは、この2つを同じ壁の内側にまとめて閉じられる点にある。

50名規模の製造業を想定すると、経理・人事・営業がひとつのMake契約を共有しているケースは珍しくない。人数が少ないほど「とりあえず全員同じアカウント」で始めがちだが、給与計算や取引先への支払いに関わる接続情報は、担当者2〜3名だけが触れる状態に保つのが望ましい。

中小企業がPrivate Spacesを使うと、月いくらでどう変わるか

結論: Private SpacesはMakeの上位プランに含まれる機能で、少人数の情報分離のためだけに契約するなら費用対効果を慎重に見るべきだ(Make公式料金ページ、2026-08確認)。

Makeの料金は無料プランのほか、月$9〜(約1,350円〜)の有料プランがある(Make公式料金ページ、2026-08確認)。ただしPrivate Spacesのような組織・権限管理の機能は、上位のTeams・Enterprise系プランに含まれるのが一般的で、月額数千円の入門プランだけでは使えない場合が多い。導入前に、自社の契約プランで使えるかを必ず確認したい。

ここで正直に整理する。5〜10名で1つの契約を回している段階なら、Private Spacesを目的に上位プランへ上げるより、まず接続情報を触れる人を絞る運用ルールで足りることが多い。

一方、部署が3つ以上に分かれ、それぞれが独自の自動化を10本以上抱える規模になると、口頭ルールでは事故が起きやすい。この段階では、機能で物理的に分離するPrivate Spacesの投資が、月数千円の追加でも年間数万円の保険として説明しやすくなる。社長に上げるなら「給与と支払いの鍵を、担当外の人が触れない状態にする費用」と伝えると通りやすい。

⚠️ 導入しない方がいい・注意すべき中小企業の条件

結論: 全社で数名しかMakeを使わない、または自動化が数本しかない会社は、Private Spacesより先に「接続を触れる人を減らす」ほうが効く(2026-08確認)。

注意すべき点は主に3つある。第一に、Private Spacesは上位プラン限定の場合が多く、情報分離だけを目的に月額を大きく上げると割高になる。第二に、一度スペースを分けると、部署をまたいだ自動化(例:営業の受注を経理に渡す)を作るときに設計がやや複雑になる。第三に、スペースを管理する担当者が退職・異動すると、誰も中身に入れなくなる事故が起こりうる。管理権限は必ず2名以上で持つ。

以下に該当する会社は、導入を急がなくてよい。

  • Makeを使う人が社内で3名以下で、全員が同じ機密レベルの業務を見ている
  • 稼働中の自動化が5本未満で、機密性の高いもの(給与・支払い等)が含まれない
  • 現状の契約が入門プランで、分離のためだけに上位プランへ上げる予算がない

実装ガイド、小さく始めて安全に分ける手順

結論: いきなり全部を分けず、「最も機密性が高い接続1つ」をPrivate Spacesに移すことから始めると、失敗しても影響が小さい(2026-08確認)。

最初の一歩は、分離対象の棚卸しだ。自社のMakeに保存された接続情報を書き出し、「担当外に見られると困る度」で順位をつける。多くの場合、上位に来るのは銀行・会計ソフト・給与関連の接続だ。

次に、上位1つだけをPrivate Spacesに移し、そこに入れるメンバーを2〜3名に限定する。効果測定はシンプルでよい。分離後に「担当外のメンバーのアカウントから、その接続やシナリオが一覧に表示されないこと」を実際に画面で確認すれば済む。

撤退・見直しの基準も決めておく。分離した結果、部署をまたぐ自動化が組めず業務が止まるようなら、分け方が細かすぎる合図だ。その場合は「機密の鍵だけ分離し、日常の連携シナリオは共有スペースに残す」という中間案に戻す。分離は目的ではなく、事故を防ぐ手段だと捉える。

なお、より根本的にデータを外に出したくない場合は、自社サーバーで動く自動化ツールn8n等)やローカルで動くAIという選択肢もある。ただしこれらは運用の手間が増えるため、まずはMakeの権限分離で足りるかを先に見極めるのが現実的だ。

よくある質問

Q. MakeのPrivate Spacesは中小企業に本当に必要ですか。 A. 部署ごとに機密性の異なる自動化を抱える会社には有効だが、全社数名なら不要なことが多い。まず接続情報を触れる人を2〜3名に絞る運用で足り、それでも事故リスクが残る規模になってから機能導入を検討するのが現実的だ(2026-08確認)。

Q. Private Spacesを使うには追加料金がかかりますか。 A. かかる可能性が高い。Makeの料金は月$9〜(約1,350円〜)だが、組織・権限管理の機能は上位プランに含まれるのが一般的だ。自社の現契約で使えるかを、Make公式料金ページで契約前に必ず確認する必要がある(Make公式料金ページ、2026-08確認)。

Q. シナリオを非表示にするのと、Private Spacesで分けるのは何が違いますか。 A. 最大の違いは接続情報を分けられるかどうかだ。シナリオの図を隠しても、銀行や会計ソフトにログインする鍵が組織内で共有されたままなら、他部署が別のシナリオから呼び出せてしまう。Private Spacesは実行内容と鍵を同じ壁の内側で閉じる点が異なる(2026-08確認)。

Q. 経理と人事、どちらのスペースを先に作るべきですか。 A. 「担当外に見られると被害が大きい接続」を持つ部署を優先する。多くの会社では給与・支払いに関わる経理の接続が最上位に来る。まず最も機密性の高い接続1つを分離し、問題が出なければ次の部署へ広げる順で進めると失敗が小さい(2026-08確認)。

この記事の持ち帰り: 分けるか迷ったら「担当外に見られて困る接続が2つ以上あり、Make利用者が4名以上いるか」を基準に判断する。1つでも該当しないなら、まず接続を触れる人を2〜3名に絞る運用から始める。

本記事はAI編集を経たのち、編集長が事実確認と品質チェックを実施しています。

本記事はAskiveのAIネイティブ編集部が執筆し、編集長 四月鶉(Yotsuki Uzra)が監修しています。内容は公開時点で確認できた情報に基づきます。