製品動画の更新コストが重い担当者、Google VidsとHeyGenどちらを選
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Askiveデイリー #174 ・ 2026-08-15

製品動画の更新コストが重い担当者、Google VidsとHeyGenどちらを選

外注に出した製品動画が上がってきたときには、その仕様がもう古い。中小の現場では、この時間差が地味に効いてくる。カラーバリエーションが増えた、価格改定した、季節の訴求を差し替えたい。そのたびに1本数万円と数日から数週間のリードタイムを払っていては、更新の頻度そのものが縛られる。

「自分たちで直せる状態」に持っていきたい。その受け皿として名前が挙がるのが、GoogleのGoogle Vidsとアバター動画のHeyGenだ。ただ、この2つは同じ土俵の道具ではない。まずそこを整理しないと、選定を間違える。

何を比較し、どう判定するか

先に判定軸を宣言しておく。この記事では次の3点で見る。

  1. どの素材から動画を作るのか(既存資料か、原稿かアバターか)
  2. 社内の誰が回せるのか(運用の敷居)
  3. 日本の中小実務に乗るか(日本語・料金・データの扱い)

そして結論の骨格を先に置く。Google Vidsは「社内向け・説明系の動画を大量に回す」道具、HeyGenは「人が話す訴求動画を撮影なしで量産する」道具である。どちらが上ではなく、更新したい動画の性格で分かれる。ここを取り違えると、便利にするはずのツールが使われないまま棚に眠る。

比較軸1:どの素材から作るか

Google Vidsは、Googleが2026年に進めるGemini統合戦略の一部だ。Google I/O 2026では、検索やGmailを含む全プロダクトをAIエージェント化する方針と、任意入力から任意出力を生成するGemini Omniの存在が示されている(Google公式発表、2026-08確認)。Vidsはこの流れの中で、スライドや資料といった既存のGoogleドキュメント資産を種にして動画の草案を組む発想に立っている。つまり、手元にある製品資料や仕様書がそのまま入力になる。

HeyGenの起点はそこではない。用意するのは話す原稿と、話者となるアバターだ。テキストを打ち込めば、人物アバターがその原稿を読み上げる動画が出る。撮影も出演者も不要で、多言語のナレーションにも対応する。以前の記事で扱ったElevenLabsとの音声の組み合わせも、この延長線上にある。

差を一言でいえば、Vidsは「資料を動かす」、HeyGenは「人がしゃべる」。仕様変更の告知を社内や取引先に淡々と伝えたいならVids寄り、店頭やLP(ランディングページ、商品紹介の着地ページ)で人の顔と声で訴求したいならHeyGen寄りになる。同じ「動画内製」でも、出てくる絵がまるで違う。

比較軸2:社内の誰が回せるか

内製化の失敗は、たいてい機能の不足ではなく「回す人がいなくなる」ことで起きる。ここは冷静に見たほうがいい。

Google Vidsの強みは、多くの中小企業がすでにGoogleアカウントを持っている点にある。新しいログイン管理も、別勘定の請求も増えにくい。資料を作る延長で動画に触れられるので、スライドを普段いじっている総務や営業事務が、そのまま担当できる可能性が高い。日常業務との地続き感がある。

HeyGenは、アバター選定・原稿の推敲・声のトーン調整という「見せ方」の判断が入る。ある動画制作の実践知見では、動画の成功要因の8割は撮影や編集ではなく構成・パッケージングの段階にあり、AIはあくまで各工程の速度を上げる道具だと整理されている(業界調査より)。ここから言えるのは、HeyGenを入れても「誰に何を言わせるか」を決める人がいなければ、量産できても刺さらないということだ。道具が原稿を書いてくれるわけではない。

運用の敷居で並べると、説明系を回すならVidsのほうが担当を選ばず、訴求系を狙うならHeyGenは1人「編集の目を持つ人」を確保する前提になる。この人材条件を無視した内製化は、外注に出戻る。

比較軸3:日本の中小実務に乗るか

海外発のツールを入れるときは、「海外では便利そう」で止めない。確認軸は日本語の自然さ、料金体系、データの扱いだ。

Google Vidsは、Google Workspaceの契約に紐づく形で使える。すでにWorkspaceを業務基盤にしている会社なら、月額の追加負担や新規契約の稟議を最小化できるのが実務上大きい。料金と対応範囲はプランで変わるため、導入前にGoogle Workspace公式サイト(2026-08確認)で自社プランの対象範囲を確かめてほしい。

HeyGenは独立サービスとして契約し、日本語アバターとナレーションの自然さ、円建てかドル建てか、無料枠と有料プランの分岐を見ておく必要がある。生成した人物動画を商用の販促に使う場合、利用規約上の商用利用範囲と、アバターの権利まわりの条件は必ず原文で確認する。ここは料金の安さだけで飛びつくと後で詰む部分だ。

どちらを選ぶにせよ共通する注意がひとつある。価格や仕様の数字を動画に載せるなら、生成物を必ず原本と人が照合すること。AIは古い情報や存在しない仕様をそれらしく出すことがある。「AIが作ったから正しい」ではなく、公開前の目視確認を運用に組み込む。ここを省くと、外注より早く間違いを世に出すことになりかねない。

ケース別の選び方

A. Google Workspaceを日常的に使い、更新するのは仕様説明や社内共有中心の会社 Google Vids。既存資料を種にでき、担当を選ばず、契約が増えにくい。まず既存アカウントの範囲で試せるのが利点。

B. 店頭・LP・SNSで「人が話す」訴求動画を、シーズンごとに何本も差し替えたい会社 HeyGen。撮影と出演者のコストを外せる価値が大きい。ただし原稿と見せ方を決める人を社内に1人置くこと。

C. 説明も訴求も両方あり、更新頻度が高い会社 併用。Vidsで説明系を量産し、HeyGenで訴求系を作り分ける。以前紹介したGammaとHeyGenの組み合わせのように、役割で使い分ける発想が現実的だ。

D. 動画を作れる人が実質いない、まず1本試したい会社 Vidsから。既存資料と既存アカウントで始められ、失敗しても損失が小さい。訴求系はそこで感触を掴んでから検討する。

今日の総括

判定はシンプルにたどれる。すでにGoogle Workspaceを使い、説明系を回したいならGoogle Vids。人が話す訴求動画を撮影なしで量産したいならHeyGen。迷ったら、まず自社が更新したい動画を1本思い浮かべてほしい。それは「資料を動かした説明」か、「人がしゃべる訴求」か。

判定を確かめる3つの質問を置いておく。更新する動画は説明系か訴求系か。動画の見せ方を決める人が社内にいるか。今の契約基盤(Workspaceの有無)はどちらに近いか。この3つに答えれば、外注に頼り続けるのか、どちらで内製に切り替えるのかは、おのずと形になる。道具を先に選ぶと迷う。更新したい動画の性格を先に決めれば、選択は後からついてくる。

本記事はAI編集を経たのち、編集長が事実確認と品質チェックを実施しています。

本記事はAskiveのAIネイティブ編集部が執筆し、編集長 四月鶉(Yotsuki Uzra)が監修しています。内容は公開時点で確認できた情報に基づきます。